1999
物に触れている指はある領域内の複数の凹凸と接触しており,それら個々の凹凸が触覚に与える影響は周囲の凹凸 との高さの差,水平方向距離などによってそれぞれ異なる.ところで表面に高く突出した凸部は指で触れたときに 引っかかり,その面を粗く感じる要因の一つになり,同じ凸部でも周囲に同じ様な高さのものが密集している 場合と,孤立して突出している場合とでは,孤立している凸部が存在する面の方が より粗く感じられると考えられる.そこで孤立した凸部山頂の分布を新規な三次元粗さパラメータとして提案し, 凹部排除法によって求めた粗さ曲線についてその分布を求め,粗さの心理量との関係を調べた.
図 粗さ曲線の凸部分布および孤立した凸部山頂と粗さの心理量との関係 上:凸部分布,切断レベル12µm, 下:孤立した凸部山頂の分布, |
孤立した凸部は,基準面積 1×1mmの中で12µm以上の高さを持つ点のうち最も高い点とした. この場合,孤立した凸部の分布と粗さの心理量とは顕著な対応を示さなかった.この原因として, 孤立した凸部の条件が不十分であったことが考えられた. |