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2002

AEおよび各種セラミックガスセンサによるモニタリング・ステーション内の木材のシロアリ食害検出

Detection of Termite Attack to Wood Stakes in A Monitoring Station
Using Ceramic Gas Sensors and Acoustic Emission (AE) Sensor

イエシロアリの被害家屋周辺10箇所に,モニタリング用ステーションを設置し,ステーション内の餌木のうち1本の木口面へ,AEセンサ(PZT圧電素子,共振周波数150kHz)を取り付け,餌木へのシロアリ食害活動によって発生するAE波を定期的に検出した.またステーションの蓋の中心に直径約6mmの穴を開け,チューブを挿入し,ステーション内から吸引したシロアリの代謝ガスを,2種類のポータブル型セラミックガスセンサ(ニオイ及び水素センサ(新コスモス電機社製))によって,定期的に検出した.各ステーションについて,餌木のシロアリ食害の有無,2分間当りのAE事象発生数,そしてニオイ及び水素センサによる検出ガス濃度を計測した.最初の3回の計測では,各ステーションにおいて,2分間のAE事象率はほとんど0であり,ニオイセンサ及び水素センサによって検出されたガス濃度も低い値を示した.計測後,ステーションの蓋を開け,ステーション内を観察した結果,どのステーションにもシロアリの侵入及び餌木への食害は見られなかった.4回目の計測以降,AE事象数,及びガス濃度が上昇したステーションにおいて,シロアリの食害が観察された.
Fig. 1. 試験住宅の平面図とモニタリングステーションの設置

Fig. 2. ニオイおよび水素選択性センサを用いたガス計測方法


Fig. 3. モニタリングステーション内のAE検出


Table 1. モニタリングステーション内でのニオイ選択性センサの検出指示値

赤で示された指示値は,餌木へのシロアリ食害が観察されたステーション内での値を示し,赤の境界線はシロアリの群飛が発生した時期を示す.


Table 2. モニタリングステーション内での水素選択性センサの検出指示値

赤で示された指示値は,餌木へのシロアリ食害が観察されたステーション内での値を示し,赤の境界線はシロアリの群飛が発生した時期を示す.


Table 3. モニタリングステーション内での2分間あたりのAE事象率

赤で示されたAE事象率は,餌木へのシロアリ食害が観察されたステーション内での値を示し,赤の境界線はシロアリの群飛が発生した時期を示す.


Table 4. シロアリ駆除剤使用後のモニタリングステーション内でのニオイ及び水素選択性センサの検出指示値とAE事象率

赤で示された指示値及びAE事象率は,餌木へのシロアリ食害が観察されたステーション内での値を示す. 


Table 5. 巣中心部のニオイ及び水素選択性センサの検出指示値

橙色の境界線はシロアリの群飛が発生した時期を示し,青色の境界線はシロアリ駆除剤使用時期を示す. 



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